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エンジニアの転職では、「転職すれば年収は上がるのか」が最初の関心事になりがちです。実際には、転職で上がる人もいれば、変わらない人、下がる人もいます。その差は、技術力の高さだけで決まるものではありません。
この記事では、年収が上がりやすい条件と、上がりにくい条件の違いを、役割、会社の種類、評価の仕組み、条件確認の順に整理します。平均年収などの統計の数字は載せません。数字を確認したいときの公的な資料の探し方も、あわせて案内します。
まず「年収」を分解して比べる
求人票の年収だけを見て転職先を比べると、判断を誤りやすくなります。年収は、次のような部分で構成されているからです。
- 毎月の基本給(固定の部分)
- みなし残業代(一定時間分の残業代を含むかどうか)
- 賞与(支給の基準と、前年の実績の見え方)
- 各種手当(住宅、家族、通勤など)と退職金制度の有無
年収が同じでも、みなし残業代が大きく含まれていれば、基本給は低くなります。賞与が業績連動なら、毎年同じ額が出るとは限りません。今の会社の年収も同じ方法で分解し、同じ形で並べないと、上がったか下がったかは判断できません。
年収が上がりやすい人の共通点
任される役割が変わる
同じ年数の経験でも、担当する役割が上がると報酬の水準も変わりやすくなります。実装中心だった人が設計やレビューを担う、チームの進め方を決める立場になる、といった変化です。転職先の求人が「実装担当」なのか「設計から任せる」のかを、面談で確認します。
事業の収益に近い仕事をしている
自社でサービスを持つ事業会社では、システムが売上やコストに直結しやすく、エンジニアの仕事が評価に結びつく場合があります。一方、受託開発や客先での業務では、報酬が契約単価と会社の取り分の関係で決まる面があります。ただし、どちらが良い悪いという話ではありません。働き方の違いは客先常駐・自社開発・社内SEの働き方の違いで整理しています。
評価の基準を言葉にできる
「何をしたら昇給するのか」を説明できる会社は、入社後の見通しが立てやすくなります。評価制度がある会社でも、運用は部署によって差があるため、面談で「直近でどのような点が評価されたか」を聞くと実態に近づけます。
年収が上がりにくい人に起きがちなこと
- 役割が変わらない転職: 同じ工程を同じ立場で担当する転職では、報酬の水準が大きく動かないことがあります。
- 条件を確認せずに入社する: 基本給とみなし残業代の内訳、賞与の基準を聞かないまま決めて、入社後に手取りが想定と違った、というすれ違いが起きます。
- 年収の希望だけを先に伝える: 希望額を伝えるだけで、その根拠となる役割や経験を話さないと、交渉の材料になりません。
年収が下がる転職を選ぶ場面もあります。判断の基準は転職で年収ダウンを受け入れるべきかの判断基準に書いています。年収以外の条件と並べて考えたいときに読んでください。
数字を確認するときの公的な資料
転職市場の動きや賃金について数字を知りたいときは、厚生労働省の「雇用動向調査」や「賃金構造基本統計調査」で確認できます。ただし、これらは産業や職種全体の統計であり、自分の経験や役割に当てはまる額を示すものではありません。数字は、自分の年収を上下させるものではなく、業界全体の傾向を知る参考にとどめます。
面談で聞く質問
面談では、次の質問が条件の確認に役立ちます。
- 入社時に任される役割と、1年後に期待される役割
- 基本給とみなし残業代の内訳、賞与の算定の仕組み
- 残業の実態と、繁忙期の期間
- 評価の面談の頻度と、評価で見られる項目
聞きにくい質問でも、聞くこと自体が失礼にはなりません。面談の場で聞きにくい場合は、エージェント経由で確認する方法もあります。エージェントと転職サイトの使い分けはエンジニア転職のエージェントと転職サイトの違いにまとめています。
よくある状況の例(イメージ)
ここで挙げるのは実在の取材ではなく、よくある状況を組み立てた架空の例です。
パターンA: 30代の女性エンジニアは、受託開発で実装を担当していました。転職活動の前に、今の年収を基本給・みなし残業代・賞与に分け、設計から任せてもらえる求人に絞って応募しました。入社前に役割と評価の仕組みを確認し、納得したうえで転職しました。
パターンB: 20代後半の男性エンジニアは、求人票の年収の数字だけを見て転職しました。入社してから、みなし残業代の比率が高く、基本給は以前とほぼ同じだったと分かりました。仕事の内容も前職と変わらず、期待していたほどの変化は感じられませんでした。
差が出たのは、年収を分解して比べたか、役割の変化を確認したかという点でした。
※本記事は、特定のサービスの利用で年収が上がることを示すものではありません。
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よくある質問
Q. 転職の希望年収は、いくらと伝えればよいですか。
A. 現在の年収の内訳と、転職先で担う役割をもとに、幅を持たせて伝えます。額だけでなく、その役割を担える根拠を話せるようにしておきます。
Q. 内定後でも条件交渉はできますか。
A. 会社によって対応は異なります。内定の通知書(労働条件通知書)で内訳を確認し、疑問があれば承諾の前に質問します。
Q. 年収が下がっても転職する意味はありますか。
A. 働き方、役割、将来の見通しといった年収以外の条件と並べて判断します。家計の見通しを立てたうえで決めます。
実際にエンジニアの転職と年収の変化の体験談も取材しています。ご自身の経験を話してみたいという方は取材にご協力ください。


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