「新しい趣味を見つけたいけれど、何から始めればいいか分からない」という声はよく聞かれます。長年仕事中心の生活だった人ほど、いざ自由な時間ができると、何をすればいいのか戸惑ってしまうものです。この記事では、退職後に趣味やサークルを探す具体的な方法を、探し方の窓口ごとに紹介します。
まずは公民館・生涯学習センターをチェック
多くの自治体が、公民館や生涯学習センターでシニア向けの講座を開いています。書道、園芸、パソコン教室、俳句、陶芸など種類は幅広く、費用も1回数百円〜数千円程度と比較的安く設定されていることが多いです。自治体の広報誌やホームページで「生涯学習」「公民館講座」のページを確認してみましょう。
講座は季節ごとに募集されることが多く、年度初め(4月)や下半期の始まり(10月)あたりに新規募集がまとまって出る傾向があります。気になる講座を見つけたら、開講の少し前から広報誌をこまめにチェックしておくと申し込みそびれずに済みます。
地域のサークル・同好会を探す
地域の掲示板や社会福祉協議会、地区の公民館が、ウォーキングサークルや将棋クラブ、囲碁の会などの情報をまとめていることがあります。いきなり入会せず、まずは見学だけさせてもらうと様子がつかみやすくなります。ある70代の男性は、近所の公民館に貼られていたパークゴルフサークルのチラシを見て見学に行き、そのまま会員になって週2回の活動が生活のリズムになったといいます。
サークルによって雰囲気はさまざまなので、1つ見学して合わないと感じても気にせず、いくつか候補を回ってみるくらいの気持ちで探すと見つかりやすくなります。
スポーツ・運動系の選択肢
体を動かす趣味を探している場合は、グラウンドゴルフ、ゲートボール、パークゴルフなど、シニア層に人気の軽スポーツも選択肢になります。多くの自治体には愛好会があり、道具の貸し出しをしてくれるところも多いため、初期費用をあまりかけずに始められます。体力に合わせて強度を調整しやすいのも続けやすいポイントです。
「以前やっていたこと」を復活させる
新しいことを始めるハードルが高いと感じる場合は、若い頃にやっていた趣味を復活させるのも一つの方法です。楽器、写真、釣り、登山など、当時の道具や知識が残っていれば再開しやすいはずです。「学生時代にギターをやっていたが、就職と同時にやめてしまった」という人が、退職を機に楽器を引っ張り出し、シニア向けの音楽サークルに参加するようになった、という例も珍しくありません。
オンラインでの探し方
最近は、自治体の公式LINEやSNSで、地域のイベントやサークル募集の情報を発信しているところも増えています。「〇〇市 シニア サークル」のようにスマホで検索するだけでも、思っていた以上に多くの活動が見つかることがあります。パソコンやスマホの操作に自信がなければ、市民向けのスマホ教室で検索の仕方から教えてもらうのも一つの手です。
気負わず、まず1つ試してみる
「趣味を見つけなければ」と気負いすぎると、かえって動けなくなります。退職後の毎日を変える小さな行動リストにもある通り、まずは1つ、気軽に試せそうなものから始めてみましょう。合わなければやめればいいだけなので、完璧に選ぼうとしなくて大丈夫です。
趣味が続かないと感じたときの考え方
始めてみたものの、思ったより楽しめなかった、続かなかったということもよくあります。それは失敗ではなく、自分に合わないものが分かったという収穫だと捉え直してみましょう。何度か試行錯誤を重ねるうちに、自分に合う活動が見つかることがほとんどです。定年後に「やることがない」と感じたときの乗り越え方も、あわせて参考にしてみてください。
ボランティア活動から趣味につなげる
「趣味」という枠にこだわらず、地域のボランティア活動から新しい活動につながることもあります。図書館の読み聞かせボランティア、公園の清掃活動、防犯パトロールなど、体を動かしながら人と関われる活動は各地で募集されています。最初はボランティアのつもりで参加した活動が、気づけば一番の楽しみになっていたという声も少なくありません。
カルチャーセンター・民間教室という選択肢
公的な講座だけでなく、駅前のカルチャーセンターや民間のスクールも選択肢の一つです。公民館講座より費用は高めですが、講師の質や設備が充実していることが多く、より本格的に学びたい人には向いています。多くの教室で無料体験や1回だけの単発講座を用意しているので、いきなり入会せず、まず体験してみて雰囲気を確かめるとよいでしょう。曜日や時間帯の選択肢が多いのも、生活リズムに合わせやすいメリットです。
資格取得とあわせて趣味を広げる
趣味の延長として、関連する資格取得に挑戦する人もいます。園芸療法士、フラワーアレンジメント講師資格、そば打ち師範など、趣味を深めながら資格取得を目指すことで、モチベーションを保ちやすくなることがあります。趣味と学びを組み合わせて検討してみると、学びの幅がさらに広がります。働き方や生き方全体の選択肢を見渡したい場合は、退職後の生き方、主な5つの選択肢を比較するもあわせて参考にしてみてください。
図書館を趣味探しの拠点にする
何から始めればいいか分からないときは、まず地域の図書館に足を運んでみると、思わぬヒントが見つかることがあります。趣味関連の雑誌や入門書を眺めているうちに気になる分野が見つかることもありますし、図書館によっては地域のサークル情報やイベントチラシを掲示していることもあります。静かな環境でじっくり選べるので、いきなり人と関わるのに抵抗がある人にとっても始めやすい場所です。
よくある質問
Q. 人付き合いが苦手でも参加できるサークルはある?
A. あります。図書館の読書会や、一人で黙々と作業する陶芸・絵画教室など、会話が少なめでも参加しやすい活動もたくさんあります。最初から積極的に話さなければと気負わず、まずは同じ空間にいることに慣れるところから始めても構いません。
Q. 費用はどれくらいかかるもの?
A. 公民館講座は1回数百円〜千円程度、道具が必要な趣味(楽器や釣りなど)は初期費用がかかりますが、多くのサークルでは貸し出し用の道具が用意されています。まずは費用の少ない体験や見学から始め、続けられそうであれば道具をそろえる、という順番が無難です。
Q. 配偶者を誘うべき? 一人で始めるべき?
A. どちらでも構いませんが、それぞれが別々の趣味を持つことにもメリットがあります。夫婦で常に一緒に行動するより、それぞれの居場所を持つ方が、結果的に良い距離感を保てることも多いです。無理に誘わず、興味があれば誘ってみる、くらいの気軽さでよいでしょう。夫婦関係の距離感については熟年離婚・夫婦関係の変化にどう向き合うかでも詳しく触れています。
Q. 体力に自信がなくても始められる趣味はある?
A. あります。将棋や囲碁、書道、俳句などの文化系の活動は、体力面の負担が少なく始めやすい趣味です。運動系であっても、パークゴルフのように強度を自分で調整しやすい種目もあるため、体力に不安があることを事前にサークルの世話役に伝えておくと、無理のないペースで参加させてもらえることが多いです。
趣味やサークル探しは、生活リズムを整えることにも、新しい人とのつながりを作ることにもつながります。焦らず、少しずつ試してみましょう。
実際に退職後に新しい趣味やつながりを見つけた方の体験談も取材しています。ご自身の経験を話してみたいという方は取材にご協力ください。


コメント
コメント一覧 (3件)
[…] 地域の合唱団は大きく三つに分かれる。一つ目は市民合唱団で、市区町村の文化会館や公民館を拠点に活動し、年一、二回の定期演奏会を目標に練習する。会費は月千円から三千円程度と安く、初心者からベテランまで幅広い層が集まる。二つ目は宗教施設や大学のOB・OG合唱団で、伝統的な合唱曲を専門的に扱うため一定の経験が求められることもある。三つ目はシニア向けに特化したコーラスサークルで、公民館講座や社会福祉協議会が主催し、発声練習から丁寧に教えてくれるため未経験者でも入りやすい。まったく歌った経験がない人は、まず三つ目のシニア向けサークルから始めて、慣れてきたら市民合唱団に移るという進み方が無理がない。趣味の団体を探す一般的な手順は趣味サークルの探し方で紹介している。 […]
[…] まず選択肢になるのが、日本将棋連盟や日本棋院が運営・認定する「将棋道場」「囲碁サロン」だ。都市部の主要駅前に多く、一日の対局料は五百円から千五百円程度で、会員登録すれば回数券や月謝制で割安に通える。次に、公民館や地域の福祉センターが開く無料または低額のクラブがあり、月二、三回の開催で会費は月数百円というところも多い。三つ目は、カルチャーセンターの囲碁・将棋講座で、プロ棋士や指導員資格を持つ講師から体系的に教わることができる。まったくの初心者は公民館クラブか初心者向け講座から入り、ルールと基本の型を覚えてから道場に移る流れが無理がない。自分に合う教室の探し方は趣味サークルの探し方でも紹介している。 […]
[…] 絵画教室は大きく三つに分かれる。一つ目はカルチャーセンターの水彩画・油絵講座で、月二回から四回、月謝六千円から一万円程度で基礎から丁寧に教えてくれる。二つ目は個人の画家が自宅アトリエや貸しスタジオで開く少人数教室で、月謝は同水準だが、静物や人物モデルを使った本格的な指導を受けられることが多い。三つ目は公民館や地域の絵画サークルで、会費は月千円から三千円と安く、講師を招かず会員同士で教え合う形式のところもある。まったくの初心者は、講師がいるカルチャーセンターや個人教室から始め、基本の描き方を身につけてからサークルに移るという流れが取り組みやすい。教室やサークルの一般的な探し方は趣味サークルの探し方にまとめている。 […]