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タクシードライバーへの転身、第二種免許取得の道

2026 9/28
選択肢
2026年10月18日

定年退職後の再就職先としてタクシードライバーを選ぶ人が一定数います。普通自動車第二種免許の取得というハードルはありますが、多くのタクシー会社が入社前の免許取得費用を負担する養成制度を用意しており、未経験からでも挑戦しやすい環境が整ってきました。年齢制限や体力面の条件、勤務形態の実態、そしてシニアがこの仕事を選ぶメリットと注意点を具体的に見ていきます。

目次

普通自動車第二種免許の取得方法

タクシーを運転するには、普通自動車第一種免許とは別に「普通自動車第二種免許」の取得が必要です。取得方法は大きく2つあり、教習所に通って学科・技能教習を受けたうえで卒業検定に合格する方法と、運転免許試験場で直接試験を受ける方法があります。教習所を利用する場合、既に第一種免許を持っている人であれば技能教習は19時限前後、学科教習は7時限前後が標準的なカリキュラムで、期間はおおむね2〜3週間から1か月程度です。費用は教習所によって差がありますが、13万〜20万円程度が目安になります。試験場での一発受験は費用を抑えられる一方、合格率が教習所ルートより低く、複数回受験を前提にした準備が必要です。

年齢制限と身体的な条件

第二種免許の受験資格は満21歳以上で、普通免許等を通算3年以上保有していることが条件です。上限年齢の法的な定めはなく、60代・70代での取得も可能ですが、視力(両眼で0.8以上、片眼でそれぞれ0.5以上が目安)や深視力検査、聴力といった身体的な条件を満たす必要があります。高齢ドライバーの免許返納を考えるタイミングで扱っているように、加齢による運転能力の変化は避けられないテーマですが、プロドライバーとして定期的な適性診断を受けながら運転を続けるという選び方も、免許を手放すかどうかの判断とあわせて考える材料になります。加齢に伴い視力や反応速度に変化が出ている場合は、教習所の入所前に実施される適性検査を先に受けておくと、自分の視力・深視力の数値を具体的な数字で確認したうえで受験に進むかどうかを判断できます。

タクシー会社の養成制度を利用する方法

多くのタクシー会社は、第二種免許を持っていない未経験者を対象にした「養成乗務員制度」を設けています。入社後に会社と提携する教習所に通い、教習費用の全額または一部を会社が負担する仕組みで、教習期間中は研修生としての給与(日給または月給制)が支給されるケースが一般的です。免許取得後は数か月の実地研修を経て独り立ちする流れで、地理試験(営業エリア内の主要施設や道路網に関する試験)の合格も乗務開始の条件になります。定年後に役立つ資格の取り方で紹介しているように、費用面のハードルを会社の制度でカバーできる点は、退職金を大きく取り崩さずに新しい資格を得たいシニア層にとって大きな利点です。

勤務形態

日勤と隔日勤務の違い

タクシードライバーの勤務形態は主に「日勤」と「隔日勤務」の2種類です。日勤は1日8時間前後の勤務を週5日程度行う形態で、生活リズムを崩さずに働きたい人に向いています。隔日勤務は1回の乗務が16〜20時間程度(休憩・仮眠を含む)と長く、その代わり月の出勤日数は12〜13日程度に抑えられるため、勤務日と休日をはっきり分けて生活したい人に選ばれる傾向があります。定年退職後に体力面での不安がある場合は、まず日勤で仕事に慣れてから隔日勤務への転換を検討する会社もあり、入社時にどちらの形態を選べるかを確認しておくと安心です。

収入の目安

タクシードライバーの給与は、固定給と歩合給を組み合わせた仕組みが一般的です。入社1〜2年目の乗務員では月収22万〜28万円程度、地理に慣れて指名や無線配車を任されるようになる3年目以降は月収30万円前後まで伸びるケースもあります。歩合給の比率は会社によって異なり、売上に応じた歩合率が高い会社ほど繁忙期(年末年始や大型連休)の収入増が大きい傾向がある一方、閑散期には月収が変動しやすい点も踏まえておく必要があります。近年は配車アプリ経由の予約が増えており、スマートフォンの操作に慣れておくと、流し営業だけに頼らず安定した乗車依頼を受けられるようになります。求人選びの段階ではハローワークの窓口を使いこなすコツで触れているように、窓口担当者に養成制度の有無や給与体系の詳細を確認してもらうと、複数の会社を比較しやすくなります。

シニアがタクシードライバーを選ぶメリット

タクシードライバーは接客業でありながら、決まった相手と継続的に人間関係を築く必要がなく、1回の乗車ごとに完結する点が精神的な負担の軽さにつながっているという声が多く聞かれます。長年営業職や接客業に従事してきた人にとっては、道案内や世間話といった対人スキルがそのまま強みになりますし、歩合給の比率が高い会社では、乗務経験を積むほど収入が伸びやすい仕組みも魅力のひとつです。再雇用か完全退職か、迷ったときの判断基準で扱っているように、会社員としての再雇用に馴染めないと感じた人が、個人の裁量で働けるタクシー業務に活路を見出すケースも少なくありません。

ある元路線バス会社の運行管理職だった63歳男性は、再雇用後の役職なしの働き方に物足りなさを感じ、思い切ってタクシー会社の養成制度に応募しました。教習期間中は「学生時代以来の教習所通いで新鮮だった」と振り返り、免許取得後は日勤から乗務を始め、半年後には地理試験の成績が評価されて空港送迎便を任されるようになったといいます。「バス運行の管理経験が、道路状況の予測に役立っている」と話しています。

注意点

隔日勤務は拘束時間が長く、夜間の運転が中心になる乗務も多いため、加齢による夜間視力の低下や集中力の持続時間を踏まえた無理のない乗務計画が欠かせません。多くのタクシー会社は年1回以上の適性診断(運転行動を分析する検査)を義務付けており、結果をもとに乗務時間や休憩の取り方を調整する仕組みを持っています。高年齢雇用継続給付の仕組みで解説しているように、再就職後の賃金水準によっては給付金の対象になることもあるため、入社が決まった段階でハローワークに条件を確認しておくと家計の見通しが立てやすくなります。また事故歴や健康状態によっては、二種免許を取得していても保険会社の審査で加入条件が厳しくなる場合があるため、入社前に会社の保険担当者へ持病や既往歴を正確に伝えておくことが重要です。国土交通省の関係団体が定める基準に基づき、65歳以上の乗務員には運行管理者による適性診断の受診頻度が高く設定されている会社もあり、加齢に伴う運転能力の変化を定期的に確認しながら乗務を続けられる仕組みが用意されています。

よくある質問

Q. 60代からでも第二種免許を取得できますか。

A. 年齢の上限はなく、視力・聴力などの身体的条件を満たしていれば60代・70代からの取得も可能です。実際に多くのタクシー会社が定年退職後の応募者を対象にした養成制度を運用しており、60代での入社実績は珍しくありません。

Q. 養成制度を使うと本当に費用はかからないのですか。

A. 会社ごとに条件は異なりますが、一定期間の勤務を条件に教習費用を全額会社負担とする制度が一般的です。ただし早期退職した場合に費用の一部返還を求められる契約になっていることもあるため、入社前に契約書の返還条件を確認しておく必要があります。

Q. 日勤と隔日勤務、どちらを選ぶべきですか。

A. 体力に不安がある場合や規則正しい生活を続けたい場合は日勤が向いています。まとまった休日を確保したい人や歩合給での収入増を重視する人は隔日勤務を選ぶ傾向がありますが、いきなり隔日勤務から始めず、まず日勤で数か月働いて体の負担を確認してから切り替える人も多く見られます。

Q. 事故を起こした場合の責任はどうなりますか。

A. 乗務中の事故は会社が加入する任意保険で対応するのが一般的ですが、重大な過失があった場合は乗務員本人の責任が問われることもあります。入社時の研修で会社の事故対応フローと保険の適用範囲を確認しておくと、万一のときにも落ち着いて対応できます。

実際にタクシードライバーへ転身した方の体験談も取材しています。ご自身の経験を話してみたいという方は取材にご協力ください。

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